社会人を辞めて大学院に進学して感じた大きなメリット・デメリット

社会人を辞めて北海道大学の大学院に進学して、約1年が経過しました。

1年経ってみて得られたメリットもあれば、辞めずにそのまま籍を残しておいた方が良いなと感じた点もいくつかあります。

カズ
カズ
一回会社入った後に辞めるって結構リスクも高いような・・・
ラク
ラク
実際にどうだったか見てみようぜ!

ここでは改めてそれらのメリットデメリットを書いていこうと思います。

社会人を辞めて進学したことによるメリット

最初に、社会人を辞めて進学したことによって感じられたメリットをいくつか挙げていきます。

時間が増えた

最初に、学生に戻るという事なので毎日8時間~10時間と言った職場での束縛から解放されました。

毎日朝早くに起きて直ぐに支度をして仕事に出かけ、夜帰宅して食事と風呂を終わらせて寝る・・・と言ったルーチンから解放され、特に最初の数か月は不安に感じることもありましたが好きな時間に起きて好きなことが出来る生活に慣れてしまうともう戻れませんねw

1年後にまた就職するわけですがその時が怖いです・・・

好きなことをやって許される

大学院という事もあり、研究内容も非常に自由で、筆者の場合はもともとサイト作成が好きだったのでそこで興味がある技術や知識を突き詰めて学習していくことが出来ます。

前の職場では空いた時間でもプログラミングをやろうものなら「遊んでいる」と低評価を付けられ査定に響きましたがそんなことは無く、寧ろ意欲的だと言った評価を教授や学会の方から言ってもらえて自己肯定感が半端なく跳ね上がります

精神的束縛がない

もちろん研究室にもよりますが、自由なところはとことん自由で、意外と幅広く何でもできます

自分のところも身バレになるので大まかに"ネット関連の事をやっている"とぼかして書きますが、筆者自身はWebサイトの構築と言った他の方とは違う事をやっていても許されています。

このように、精神的束縛もなく自由にのびのびと出来るのは凄く嬉しいですね!

しかし中にはブラック研究室なるものもあるそうで、そのようなところには行ってしまわないように注意しましょう。

下記記事で研究室の選び方などはまとめています。

別の会社を見ることが出来て客観的になれる

大学院に進学して感じたのは、学部時代は自分から自由応募で積極的に会社を探すと言った傾向が強かったのですが、院生は企業からも人気が高いらしく色んなリクルーターからオファーをもらい易く、また、学校単位でも就職イベントをよくやっており色んな会社を知る機会が増えます。

それぞれの会社で事業内容も違えば社風や給与、将来性等ありとあらゆるものが異なり、学部生の就活よりもさらに深く内容を知ることが出来自分の視野が広がります。

元々いた会社との考え方の根本的な違いを知れることも今後の自分の判断材料の大きな一つになります。

また、大学単位で学校推薦枠と呼ばれるものもあります。

筆者も実は4年間の社会人経験の後の進学で周りより年齢が高い分就職は厳しいのではないかなと懸念していましたが、この推薦枠のおかげで杞憂に終わりました。

カズ
カズ
どこの企業かは言えないけど、誰でも知ってるような大手企業だよ!

未経験の仕事にも新卒枠で挑戦できる

筆者は前の企業では経理職でしたが、院に戻ってその後に内定した企業ではWEB系のシステムエンジニアとして雇ってもらうことが出来ました。

普通に転職活動でエンジニアに就職しようとするとかなり難易度が高いですが、そういった敷居も新卒枠で応募することで低くなるので、職種を思い切り変えたい場合もオススメです。

学歴をロンダリング出来る

「院卒」や「修士号」と言った肩書が出来るのも当然大きいですが、大体の学歴は最終学歴で判断されるため、学部時代での学歴があまり納得できなかった場合塗り替えることが出来ます

実際筆者の前の研究室にも私立→旧帝大のロンダリングをしていた方がいらっしゃいましたが、この方も見事に学校推薦枠で優良企業に就職されていました。

ただ、学歴ロンダリングには落とし穴もあるのでそちらは少し注意して置きましょう。

社会人だったからこそ良かったこともある

一度社会人を経験したうえで大学院に進むことで学生のまま進むことでは見えていなかったであろう視点で物事を見つめることもできます。

例えばその研究がただ面白いからやっているのか、人の役に立つ(=需要がある)からやるのか、などと言った視点から見ることもできます。

正直言ってしまうと筆者はそこまで技術力は高くなく、研究室の同期や後輩よりも圧倒的に技術力が不足している自信があります。

カズ
カズ
そんな胸を張って言う事でも無いような・・・

それでも教授的には非常に面白い研究と言ってくださっており、理由としては実際にサイトを作ってそこに来ている人たちで実験できると言った強みがあるからだそうで、このようにお金を稼いで始めて得られる視点を持って大学院に進むことで、他の方には無い強みを持つこともできます。

社会人を辞めて進学したことによるデメリット

次に、社会人を辞めて進学したことによって生じたデメリットもまとめてみようと思います。

金銭面

まずは金銭面です。社会人はお金をもらって仕事をしているのに対し、学生はお金を払って勉強をさせて貰うと言ったスタンスの為、収入は途絶え出費は増えていきます

そのためある程度の貯蓄や会社以外の収入、宛てが無いとぶっちゃけ破産したり多額の奨学金を借りなければならずお金に苦しむことになります。

特に筆者の場合は結婚しており子供もできたためそれなりに金銭的には苦労しました。

信頼性

例えばクレジットカードの申請だったり家を借りるときの手続きも社会人の時より難しくなります。

そもそもクレジットカードは審査が通らない、家を借りるときも社会人の時はスムーズに借りられたところ、連帯保証人を必要とされる、などと言った手続きもありました。

家を借りるポイントについてはどうしようもありませんが、クレジットカードはあらかじめ作って置いてから進学しても良いかもしれませんね。

健康面

時間の束縛がなくなるため、人によっては堕落してしまうことがあります(まさに筆者)

ひどいときは昼近くの11時に起きて遅い時は深夜2時まで起きている・・・みたいな生活になってしまったこともあります。

働きづめで睡眠時間が0に近くなるよりはマシかもしれませんが、規則正しい生活が出来なくなると言った点ではこの点も大きな懸念事項です。

自由応募は厳しいかも

先ほど学校推薦は利用できると書きましたが、それを利用せずに就職しようとすると2年間のブランクがあるわけで、企業によっては断られてしまうこともあります。

そもそも応募方式を普通の新卒採用枠で申し込めば良いのか、転職サイトを利用すればいいのか分からない方も多いと思います。

新卒採用枠はその会社ごとに年齢制限などがある場合もあるのでしっかりと確認してから応募するようにしましょう。

ラク
ラク
例えばNintendo何かは「28歳以下で職歴がない」とかだから新卒では応募できないな

そういった場合は転職サイトを利用することで、エージェントが条件に合う企業を見つけてオファーを送ってくれます。

因みに筆者は事前からDODAに登録しており、学校を辞めて進学したと言った事情を説明したらそれでも応募可と言った企業を丁寧に勧めてくれたのでお勧めです。

敢えて辞めないと言う選択肢も

進学に当たって筆者は退職を選びましたが、場合によっては辞めずに進学する事も出来ます。

2年間程度なら休職扱いしてくれる企業もある

大企業だったり時代の流れに敏感なベンチャー企業の場合、制度として進学・留学を設けている場合もあります。

この場合は卒業後に行く場所が決まっているため就活する手間がなくその時間をさらに研究に充てられたり将来への不満がないと言ったメリットが大きく、卒業後にまたその企業で働きたいと言った意思があり制度も整うなら積極的に利用していきましょう。

やはり空白の時間が出来てしまうよりは良いので、

卒業後は安心だけど出費がでかいことも

卒業後が安定している一方で在学中は休職扱いになり収入も途絶えるため金欠になりやすいことに変わりはありません。

加えて社会保険料などが多くかかってくるため返って家計を圧迫すると言ったデメリットもあります。

在職している企業でキャリアアップをしたいか、それとも職種ごとガラッと変えたいかによってもどうするかを決めるのが良いでしょう。

まとめ

今回は、社会人を辞めて大学に進学して実際に感じたメリットとデメリットを紹介しました。

始めは不安などもありましたが、結果的に進んで自分の心残りも解消され、良いキャンパスライフを送れているので決断して良かったと思っています。

これから会社を辞めて進学したいと考えている方は、確かにそれなりにデメリットやリスクも高いですが、しっかりと意思を固めたうえで方向性を決めて置けば大学院で他の方が体験できないような経験を得ることが出来て大きな強みになることは間違いありません。